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初の首位打者へ オリックス・吉田正尚、フルスイングと選球眼の原点

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練習で鋭い打球を飛ばす吉田正=宮崎市の清武総合運動公園SOKKENスタジアムで2020年2月3日午後0時24分、傳田賢史撮影
練習で鋭い打球を飛ばす吉田正=宮崎市の清武総合運動公園SOKKENスタジアムで2020年2月3日午後0時24分、傳田賢史撮影

 プロ野球・オリックスの吉田正尚(まさたか)外野手(27)が念願の初タイトルへ突き進んでいる。射程に捉えているのは首位打者で、打率3割5分(10月16日現在)でパ・リーグトップに立っている。強烈なスイングから放たれる鋭い打球は、ゴロでも内野手の間を抜けていく。選球眼にも優れ、三振数は規定打席到達者の中で最少の26だ。身長173センチと小柄な強打者は、どのように育ってきたのだろうか。原点を知る人たちに聞いた。

大きい子に負けないよう強く振る

 「ボールを遠くへ飛ばしたい、大きい子にも負けたくないと、とにかく強く振っていました」。吉田正の父正宏さん(61)=福井市=が幼少期のことを教えてくれた。

 吉田正は3歳上の兄の影響で、保育園の頃から地元の少年野球チームに参加。小学1年で正式に加入した。吉田正の代名詞といえば、振り切ったバットが背中に当たるようなフルスイング。正宏さんは「1年生の頃からそうでしたよ」と懐かしむ。元々右利きだったが、左利きの兄のまねをして、加入前から左打ちで練習をしていた。正宏さんに野球の経験はないが、「思い切り振りなさい」とだけアドバイスして背中を押した。自宅では「(ティー打撃を)手伝って」という息子の頼みに、時間の許す限り付き合った。

スイングが速く、ボールを手元まで呼び込める

 福井の強豪・敦賀気比高に進んだ吉田正は、入部後すぐに4番を任された。当時の監督、林博美さん(62)は「打球の鋭さは、入部当初から3年生のレギュラークラスの上を行っていた」と振り返る。

 吉田正が…

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