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今週の本棚・なつかしい一冊

津村記久子・選 『さむけ』=ロス・マクドナルド著、小笠原豊樹・訳

絵・寄藤文平

 (ハヤカワ・ミステリ文庫 1056円)

 十五年以上の間、断続的に再読しているので「なつかしい」と言い切るにはずっと生々しい感触を持った本だけれども、未来のどの時点でも、小説とはどういうものかという本を自分に対して一冊挙げるとしたら、悩んだあげくこの本を選ぶと思う。「良かった」という深い感慨と、小説を読む喜びと共に。

 新婚の若い男が、妻がいなくなってしまったので探してほしいと探偵に頼みにくる。再放送の二時間ドラマや何かの冒頭によくありそうな発端は陳腐ですらある。それが巡り巡って最後には、ミステリーの歴史に残る結末の一文に辿(たど)り着く。個人的には、自分が読んできたあらゆる小説の中でも最強と言っていい幕切れだと思う。

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