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磯田道史・評 『浦上玉堂 白雲も我が閑適を羨まんか』=高橋博巳・編

『浦上玉堂 白雲も我が閑適を羨まんか』

 (ミネルヴァ書房・4400円)

 浦上玉堂の評伝がでた。玉堂とは何者か?と問われれば「琴詩書画の清雅を好み、諸国を漂泊した文人」と解説的に答える他ない。ただ石川淳は「玉堂の画はなにになることもいやだといふ人間がぶっつけた仕事である」と評した。玉堂はその画が川端康成に愛され国宝指定されていても、画人とか詩人とか職業的に定義してはいけない人物である。「琴士」を称したが、その活動は琴にとどまらない。

 玉堂研究が重要なのはなぜか。かつて加藤周一は玉堂を論じていった。「『文人』たちは、外国の詩文書画の教養という点で大衆から離れていたと同時に、詩文書画に打ちこむという点で武士の倫理や規範からも離れていった」。近世も後半になると、この国に「文人」があまた生じた。彼らは高い東洋的教養をもち、徳川の世のイデオロギーからの逸脱をはかった。日本中で横につながって文人のネットワークを結び、体制の外で密(ひそ)…

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