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社説

新聞週間とコロナ 多様な議論が社会つなぐ

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 新聞週間が始まっている。日本新聞協会の調査では、新型コロナウイルスの流行で人々が各種メディアに接する機会が増える中、新聞の信頼度が最も高かった。

 未知のウイルスは解明されていないことが多い。感染の拡大を防ぐには、専門家の見解が重要になる。特に問われたのは、科学と政治の関係だ。

 3月からの一斉休校は、専門家の意見を聞かずに実施された。その後も「Go Toトラベル」をはじめ、専門家の判断を受ける前に、政府が方針を決めているように映るケースがあった。

 科学的な見地からの意見を踏まえ、政治が政策を決める。大切なのは、その過程の透明性だ。説明を求め、問題がないかどうか検証していかなければならない。

 感染症対策では他人との接触や移動を制限するのが有効だが、人々の自由を制約することになる。

 感染防止と経済活動の両立をどう図るかも、依然として課題になっている。知恵を絞ってバランスを見いださなければならない。

 インターネット上では、デマや真偽不明の情報も拡散している。社会がコロナに向き合っていくには正確な情報が不可欠だ。

 ウイルスへの不安は、感染者や医療従事者への差別を生んだ。市民が他者の行動を監視する「自粛警察」「帰省警察」といった言葉まで登場した。

 多角的な報道に努めてきたつもりだが、「夜の街」とひとくくりにするような表現が、働く人への偏見を生んだことも否めない。

 感染拡大の深刻さや予防策を強調するあまり、差別を生まない配慮に欠けていないか。常に自省しながら、報道のあり方を考えていきたい。

 現場の実情を丁寧に伝えていくことで差別を和らげた例もある。

 コロナ患者を受け入れる東京都江戸川区の病院では患者の転院を断られたり、看護師が子どもの保育園に入るのを拒まれたりした。

 だが、病院の体制やスタッフの状況が報じられると、防護具や食料品などの支援が届くようになったという。

 多様な意見を幅広く伝え、合意に向けた議論の材料を提供していく。社会をつなぐ新聞の役割を果たしていきたい。

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