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社説

政府主導の携帯値下げ 競争環境の整備も必要だ

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 菅義偉首相がNTTドコモなど携帯電話大手3社に対し通信料金の大幅な引き下げを迫っている。

 携帯は今や生活に欠かせないインフラとなり、1人が1台以上持つまでに普及した。にもかかわらず、料金は高止まりしている。利用者の不満が大きいのは確かだ。

 総務省の調査によると、動画サービスなどに適したデータ容量20ギガバイトのプランで、東京の料金は8000円強と、ロンドンの約3倍だ。2人以上の世帯が払う携帯の通信料金は平均で年間10万円を超え、この10年で約3割も増えた。

 新型コロナウイルス流行でテレワークも広がった。総務省の意見聴取では「ビデオ会議でデータ容量が食われ、追加料金がかさむ」と訴える声も出た。家計の負担は重くなっている。

 背景には、大手3社が約9割の国内シェアを握る寡占の問題がある。経営体力を消耗する競争を避け、顧客の囲い込みで収益確保を図る傾向を強めている。

 実際、3社の営業利益率は軒並み20%前後と、トヨタ自動車の約8%をはじめ有力メーカーを大きくしのぐ水準だ。限られた公共電波を使うビジネスである以上、超過利潤が発生しているなら、利用者に還元すべきだ。

 菅氏は官房長官時代の2018年に「携帯料金は4割値下げする余地がある」と打ち出した。それを受けて、総務省は端末代と通信料金のセット割引を原則禁止する措置などを講じたが、成果が上がらなかった。

 首相は今回、政治主導で値下げを実現させる構えだ。ただ、携帯料金は政府が決める公定価格ではなく、過度の政治介入は本来、好ましくない。

 ソフトバンクはデータ容量20ギガバイトで月額5000円以下の格安プランを検討し始めたが、「官製値下げ」では一過性に終わりかねない。利用者が望むのは、手ごろな価格で高品質なサービスが幅広く提供されることだ。

 総務省は番号を変えずに携帯会社を乗り換える際の手数料を撤廃する方針だ。競争を促す狙いだが、これだけでは十分ではない。

 新規参入した楽天や格安スマートフォン業者がもっと独自性を発揮できるような競争環境づくりを徹底すべきだ。

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