メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

恋ふらむ鳥は

/129 澤田瞳子 画 村田涼平

 なにせ百済(くだら)の流民が倭(わ)国で売り飛ばした品は、鍋釜だけではない。難波津の市を歩けば、剣や鉾(ほこ)、弓矢といった武具は、流行の釵子(さいし)よりもはるかに安く手に入る。つまり幾ばくかの貯(たくわ)えさえあれば、集めた男たちを武装させることは簡単なのだ。

 法会(ほうえ)の最中だったのか、四半刻ほどして姿を見せた知尊(ちそん)は、全身に抹香の煙をまとわりつかせていた。額田(ぬかた)の言葉に腹をくくった様子で、「わかりました」とうなずいた。

「では私のところには数日のうちに、早く寺を出ろとの四比(しひ)福夫(ふくぶ)さまからの促しが来そうですね。日数がありません。その時は誘われるままに馳(は)せ参じ、隠れ家をこっそり、額田さまにお知らせしましょう」

この記事は有料記事です。

残り763文字(全文1094文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ビニール袋に包まれた母 触れることさえできない別れ 心の中で「ごめんね」

  2. 際立つ大阪のコロナ死 その理由、高齢者の「命のリスク」高める構図とは

  3. 関東平野部も大雪の恐れ 「不要不急の外出控えて」 国交省緊急発表

  4. #自助といわれても 気づいたら全財産103円 42歳女性が「見えない貧困」に落ちるまで

  5. ファミマ・お母さん食堂に異議 声上げた高校生に「慎吾ママ」生みの親がエール

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです