- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷

普段よく散歩している徳島中央公園(徳島市徳島町城内)で、恒例の「野外彫刻展」が始まりました。新型コロナウイルス感染症の影響で阿波踊りさえも中止に追い込まれた今年、なじみのあるイベントが例年通りに開かれると、心からほっとします。「密」を避けることが可能な野外展示の強みといったところでしょう。
23年前に初めて徳島に赴任し、若い頃は何も気に留めることなく毎年のように取材して記事を書いていたのですが、調べてみると第1回が開かれたのは半世紀以上も前の1963年。今も続く野外彫刻展としては国内でも最古の部類に入る、歴史ある展覧会と知り、不勉強を恥じました。
その礎を築いたのが、2006年に90歳で亡くなられた彫刻家の坂東文夫さん。1915年に応神(現徳島市)に生まれ、多感な頃を鳴門で過ごした後、戦前の東京美術学校(現東京芸術大)で彫刻を学びました。個人としても数々の業績を残されていますが、最大の功績は県内に彫刻文化そのものを根付かせたことにあります。
この記事は有料記事です。
残り963文字(全文1390文字)