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「ゆるキャラ」という呼び名を最初に使ったのはイラストレーターのみうらじゅんさんだった。2000年11月、広島・国民文化祭の時である▲その後、「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)、「くまモン」(熊本県)でブームに火が付き現在、日本ご当地キャラクター協会(彦根市)への登録は全国約230。実際はその何倍ものキャラクターが生まれている▲新型コロナウイルスでイベントが次々と中止になり、ゆるキャラの出番も激減した。そんな中、専門医で作る「日本小児がん研究グループ」(JCCG)から協会に依頼が入る。「がんの子どもに向け、キャラクターからメッセージがもらえないか」▲がんになると抗がん剤で免疫力が落ちる。コロナ感染予防のため家族との接触さえ制限され、週末外泊や一時退院も難しい。ストレスから涙もろくなる子もいる▲寂しさと闘う子たちへのメッセージがJCCGのホームページにある。「いつも心からワシら応援してるで」(兵庫県尼崎市・ちっちゃいおっさん)、「応援しちゅうきねぇ」(高知市・とさけんぴ)、「大好きな人たちと、ぎゅーってできることが当たり前になる日まで、笑顔を忘れずに」(三重県四日市市・こにゅうどうくん)▲白血病で九州大学病院に入院する14歳の女の子から先日、JCCGに感想が来た。この病院は今も面会禁止で、親も病棟に入れない。「方言の応援が励みになりました」。その呼称誕生から20年。ゆるキャラが子どもの寂しさを少し和らげた。