人を恐れない「新世代クマ」か 里山の奥山化、すぐ人里に 全国で襲撃相次ぐ

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この時期、クマの活動が活発化するため、山形県などが警戒を呼びかけている=県提供
この時期、クマの活動が活発化するため、山形県などが警戒を呼びかけている=県提供

 クマの襲撃が全国で相次いでいる。どうやら、人間を恐れない「新世代クマ」がいるらしい。19日には、石川県加賀市のショッピングセンターで、クマが店内に入ったほか、16日には群馬県みなかみ町の旅館では、露天風呂で宿泊客の男性がクマに襲われ軽傷を負った。相次ぐ襲撃について、クマ被害を長年研究してきた専門家は、ドングリなどの凶作だけでなく、人里の変化が招いた別の要因があると指摘する。何がクマを怒らせているのか。【古川宗/統合デジタル取材センター】

荒廃、車の音などすっかり慣れ

 クマが店内に立てこもった石川県加賀市のショッピングセンター「アビオシティ加賀」。搬入口からクマ1頭が店内に入っていったと110番通報があり、従業員が屋外に避難している。ツイッターでは「立てこもり」がトレンド入りするなど話題を呼んでいる。石川県内では17、18日に、現場近くの温泉で計4人がクマに襲われてけがをするなど出没が相次いでいた。

 このほかにも、16日には群馬県みなかみ町の旅館「宝川温泉汪泉閣(おうせんかく)」で、露天風呂に入るために屋外通路を歩いていた男性客がクマ(体長約1メートル)に襲われ、左腕や右足などをかまれ、軽傷を負った。

 10月1日にも、新潟県関川村で、畑作業をしていた女性がクマに襲われ、顔や脇腹などをひっかかれ、その10日後に死亡した。環境省によると、ツキノワグマやヒグマによる昨年度の人身被害人数は157人で、有害捕獲数は6285頭で、いずれも過去10年で最高。今年度についても、8月時点で人身被害人数は60人で、有害捕獲数は3207頭に上っている。

 クマの襲撃について、環境省野生生物課の担当者は「地域によってさまざまな要因がありますが、昨年度については、(ドングリなど)堅果類の凶作が一つの要因になっているとみられます」と分析する。

 「ドングリなどの堅果類の凶作が主な原因ですが、その背景には、もっと深い要因があるのです」。相次ぐ襲撃について、ドングリ凶作以外の背景を懸念しているのは、クマの調査や保護活動を行っているNPO法人「日本ツキノワグマ研究所」(広島県)理事長の米田一彦さん(72)だ。

 米田さんによると、近年、人間を怖…

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