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ALL FOR 2020

東京へ ともに歩む

毎日新聞

全日本選手権女子シングルスで、ボールを見つめる伊藤美誠。コロナ下の生活は大きな気づきをもたらした=丸善インテックアリーナ大阪で2020年1月16日、久保玲撮影

アスリート交差点2020

今を楽しむ 8カ月ぶりの実戦へ 20歳の決意=卓球・伊藤美誠

 11月から国際卓球連盟(ITTF)主催の国際大会が中国で相次いで再開されます。私は女子ワールドカップ(W杯、11月8~10日・山東省威海市)に続いて、ITTFファイナル(11月19~22日・河南省鄭州市)にも参戦します。私にとって3月のカタール・オープン以来、8カ月ぶりの試合になります。とても楽しみで、待ち遠しくてたまりません。

 これまで海外ツアーでは、わずか2、3週間おきに海外を転戦するトップ選手たちと顔を合わせていました。それでも次に対戦する時、相手も私も必ず、プレーだったり戦術だったりが少しずつ変わっていました。これほど長い間、対戦しなかったのは初めての経験になりますが、怖さはありません。むしろお互いどこまで強くなったのかなと思います。

昨年11月に東京で開催されたワールドカップ団体戦で得点に声をあげる伊藤美誠。新型コロナウイルスの影響で8カ月ぶりとなる国際大会を前に、気持ちも高ぶる=東京体育館で2019年11月10日、大西岳彦撮影

 いつ大会が再開されても大丈夫なように、これまでと変わらず練習を重ねてきましたが、練習では試合のようなアドレナリンは出ません。久しぶりの試合なので冷静に周りの様子を確かめながらも、大暴れしたいです。

 W杯で勝ち上がれば対戦するのが、世界ランキング1位の陳夢選手。昨年からツアーで決勝や準決勝まで勝ち上がり、対戦機会が増えましたが、これまで4回対戦してまだ勝ったことがありません。中国のトップ選手で勝ったことがないのは彼女ぐらいです。決してやりにくい相手ではなく、バックハンドの打ち合いならば私に分があるのですが、いつの間にか相手のペースになってしまいます。駆け引きがうまくて、隙(すき)がありません。サーブもレシーブもただ入れる、ただ返すのではなく、全てのボールの質が高いのです。サーブレシーブで崩して、自分の良さである多彩な技術を生かせる展開に持ち込みたいです。

 試合から遠ざかった期間、私も変わりました。以前から強化に取り組むフットワークを見直しました。ステップや足の運びなど相手や試合の状況に応じて使い分けることを意識して練習しました。どうやって攻撃につなげるか心掛けることで、今まで以上に中国選手と積極的に戦えるようになると思います。

 10月21日で20歳になりました。海外で誕生日を迎えたのは初めて。例年この時期はツアーのはざまなのですが、新型コロナウイルス対策で早めに中国入りして隔離期間を過ごす必要がありました。手洗いやマスクなど考えられる対策は取っていますし、自覚を持って行動しているつもりです。それでも感染する可能性はゼロではありません。もしそうなれば受け入れるしかありません。コロナによって生活は大きく変わり、普段あまりしない料理にも挑戦しました。餅ピザや山芋ステーキなど私が好きな居酒屋風メニューは好評でした。

 20歳は大人の仲間入りをする特別な年齢ですが、卓球は変わらず自分らしくありたいです。(あすは競泳・渡辺一平です)

いとう・みま

 静岡県磐田市出身。2015年、ツアー史上最年少(当時)の14歳152日で優勝。16年リオデジャネイロ五輪団体銅メダル。18、19年全日本選手権3冠達成。1月に東京五輪代表に決定。スターツ所属。20歳。