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恋ふらむ鳥は

/130 澤田瞳子 画 村田涼平

 

 「なんですって――」

 威儀を正した行列はとかく足が遅いものだが、それでも丸二日もあれば一行は飛鳥から難波津にたどり着いてしまう。

 難波津の状況は詳細に告げたにもかかわらず、なぜ中臣(なかとみの)鎌足(かまたり)は助けの手を差し伸べてくれぬのか。もしかしたらあの男は、葛城(かつらぎの)王子(みこ)に仕える以上、これぐらいの困難は額田(ぬかた)一人で片付けるべきと考えているのかもしれない。

 こうなれば唐使が難波に到着する前に、四比(しひ)福夫(ふくぶ)を見つけるしかない。だが難波は、住民だけでも一万人とも二万人とも言われる繁華な地。加えて東に大和川、北に広大な草香江(くさかえ)を擁する交通の要衝として、日々多くの人々が行き交うだけに、その中でたった一人の男を探すなぞ至難の業だ。

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