菅首相、解散を探る「神経戦」 来年なら…4月? 7月? 9月?

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 衆院議員の任期満了まで21日で残り1年となる。菅義偉首相は新型コロナウイルス対策を優先するため、年内の衆院解散は見送る方針だ。だが、年明け以降は通常国会や東京オリンピック・パラリンピックなどで日程は窮屈で解散のタイミングは限られ、難しい判断が迫られる。1年以内にある衆院選に向け、自民党は候補者が競合する選挙区の調整を急ぐ。立憲民主党など野党も一本化に向けて協議を始めるが、調整が難航する選挙区は少なくない。

解散前に「一つ、成果」への期待

 「菅さんの性格からして、自分の政策をある程度、具体的に見せた上で国民に信を問いたい、との思いを持っているのではないか」。自民党の世耕弘成参院幹事長は20日の記者会見で、衆院解散に対する菅義偉首相の思いを推し量った。

 首相は「働く内閣」を掲げ、役所での押印廃止や携帯電話料金の引き下げ、不妊治療への保険適用など次々と閣僚に指示してきた。9月の就任直後は、高い内閣支持率を追い風に早期解散に踏み切るとの観測があったが、年内解散は見送りの公算が大きくなった。自民党幹部は「何か一つ、成果を出してからの方がいい」と述べ、政権として明確な成果を示した上での解散に期待する。

 首相は就任後初の外国訪問中で、20日はインドネシアを訪れ、21日に帰国。26日には臨時国会が召集され、所信表明演説を行う。その後の各党代表質問や予算委員会では、日本学術会議から推薦された会員候補6人を任命しなかった問題で野党から追及を受けるのは必至で、答弁次第では支持率の低下も懸念される。

 国会会期中には、11月8日に秋篠宮さまが皇位継承順位1位の皇嗣(こうし)となられたことを国内外に宣言する「立皇嗣の礼」があり、日英貿易協定が締結された場合の国会承認などが予定されている。

 12月5日の会期末までの衆院解散も可能だが、自民党幹部は「年内解散は…

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