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木村 衣有子・評『フィッシュ・アンド・チップスの歴史』パニコス・パナイー/著
2020/10/20 20:17(最終更新 10/20 20:17)
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歴史と伝統のある食でも値も格も上げないまま
◆『フィッシュ・アンド・チップスの歴史 英国の食と移民』パニコス・パナイー/著 栢木清吾/訳(創元社/税別2400円)
「フィッシュ&チップス」という一品は、単純に、白身魚の切り身とじゃがいもを揚げたのの盛り合わせ、そう思っていた。けれど、魚には衣をまとわせていても、じゃがいもは素揚げだと、あらためて気付く。
当初は、魚は魚、じゃがいもはじゃがいも、と、異なるルーツを持つ人によって、別々の場所で揚げられ売られていたメニューだったとこの本にはある。19世紀末に、そのふたつが組み合わされてはじめて、買ってすぐ食べられる手軽なお総菜として、ぐんと人気が高まった。
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