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恋ふらむ鳥は

/131 澤田瞳子 画 村田涼平

 激しい焦燥が全身を突き動かし、床を踏みしめる足が荒々しくなる。額田(ぬかた)は罵(ののし)りの言葉を堪(こら)えて、両手で髪を搔(か)きむしった。その途端、足元で甲高い音が響いたのは、髻(もとどり)の根方に挿していた銀の釵子(さいし)が抜け、磚(せん)を敷き詰めた床に落ちたからだ。

 のろのろと拾った二本足の釵子は、瑞雲(ずいうん)を象(かたど)った飾りがひしゃげている。夜風に吹かれたせいで氷のように冷たいそれを、額田は強く握りしめた。

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