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「日本学術会議」が推薦した新会員6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、野党合同ヒアリングが21日、国会内で開かれた。首相が学術会議の推薦通りに会員を任命する義務はないとした内閣府の内部文書を巡り、内閣府は法制局への事前相談や文書作成は「口頭決裁」で、決裁文書は存在しないと述べた。詳報は以下の通り。【大場伸也/政治部】
黒岩宇洋氏(立憲) 2018年11月13日に内閣府日本学術会議事務局が作成した内部文書。起案から学術会議事務局長に上がるまでの経緯を教えてください。これ事務局長決裁ですよね。
内閣府学術会議事務局 この文書につきましては、当時の担当者が作成しまして、事務局長まで了解を得たものと承知している。
黒岩氏 担当者がどういう立場で、事務局長に上がるまではどういう決裁ラインだったのか。決裁文書あるんですか。
内閣府 当時の担当者が作成しまして、あのー、口頭で事務局長まで了解を得たものと承知しております。
=野党議員ら、「決裁文書がないのか」などとどよめき=
黒岩氏 文書があれだけのものができてるわけですよ。10ページくらいの。あれを担当者が指し示しながら「いいですか」とやったって意味ですか。
=野党議員ら「そんな行政手続きあるんですかね」「おそろしいね」=
内閣府 学術会議事務局として作成したものでして、途中段階でも事務局長までお話ししながら作成したと理解しております。
田村智子氏(共産) そもそも、どういう経緯で、何を目的に文書を作成することになったのか。
内閣府 今回の半数改選に向けて、被任命者数より多い候補者を推薦することについて法的な整理をしたと理解しています。
今井雅人氏(立憲) だからなぜそれを検討したんですか。
黒岩氏 今まで3年ごとに改選していて、合議なんてかけてない。
川内博史氏(立憲) 検討の端緒は何だったんですか。
内閣府 今回の半数改選に向けて、被任命者数より多い候補者を推薦することについて法的な整理をしたと理解しています。
川内氏 学術会議から法的解釈を整理するよう事務局に命じられたんですか?
内閣府 即答はできませんけれども、学術会議法の考え方について法制局におうかがいしたと……。
川内氏 だから学術会議から事務局は法解釈の整理を命じられたのかと聞いている。
今井氏 誰の依頼なんですか。
内閣府 会議からというわけではなく、事務局において、そのー、あのー、検討というか……。
小西洋之氏(立憲) 山極寿一会長(当時)に了解は取ってるんですか。こうした解釈を作ることについて。
内閣府 山極会長には内容についてご報告していると聞いております。
小西氏 この解釈を作った18年当時ですか。
内閣府 時期等詳細については、現在確認中です。
原口一博氏(立憲) 杉田和博官房副長官から、この法的解釈について合議をするようにという指示が来たでしょ。その日にちと文書を出してください。あなた方が事務局内部で自発的にやったことじゃないでしょ。杉田さんから、自分たちの裁量の余地を作るにはどうすればいいか考えろ、という指示が来ましたよね。
小西氏 杉田副長官から指示が来たというのは間違いないのか。
内閣府 ちょっと、承知してございません。
小西氏 誰の指示を受けて官僚組織のみなさんが作ったのか。大臣もいれば、杉田官房副長官もいる。官房長官、総理大臣もいる。
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