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米当局がグーグル提訴 ネット寡占の弊害是正を

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 米司法省がネット検索最大手、グーグルを独占禁止法(反トラスト法)違反の疑いで連邦地裁に提訴した。市場での圧倒的な影響力を利用して他社の参入を排除してきたという。

 グーグルは世界の検索シェアの約9割を握る。訴状などによるとその優位性を保つため、スマートフォンメーカーに他社のサービスの初期搭載を禁じてきた。

 また、米アップルに毎年数十億ドルを支払い、自社の検索サービスをiPhone(アイフォーン)に標準搭載させていた。

 スマホ端末は、アイフォーンと、グーグル製の基本ソフト(OS)を搭載した機種が市場の大半を占めている。グーグルはこの両方の検索利用者を取り込んで膨大な個人データを集めている。それを活用してネット広告の収益を拡大してきた。

 米司法省はこれら一連の行為が新規参入を阻み、公正な競争を妨げていると判断した。独占状況が続いた結果、プライバシー保護など検索サービスの質が向上せず、消費者の利益が損ねられたと指摘している。

 独禁法違反で大手IT(情報技術)企業を相手取った大型訴訟は米マイクロソフト以来、約20年ぶりだ。この時は高いシェアを持つパソコンOSにネット閲覧ソフトを組み込んで他社を排除しようとしたのが問題となった。訴訟を機に監視の目が強まり、グーグルを含む新興勢力台頭につながった。

 グーグルなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT4社はこれまで、米政府から厳しく規制されていなかった。米経済の成長に果たす役割の大きさや国際競争力の観点が重視されたからだ。

 だが、寡占が一段と強まった結果、取引先企業が不利な契約条件を押しつけられたり、IT業界の新陳代謝が阻害されたりする弊害が見過ごせなくなっている。

 このため、米政府は独禁法訴訟に踏み切ったが、これだけでは利用者の利益は守れない。GAFA批判の根源には個人情報保護をないがしろにしてきたことがある。

 日欧は保護規制を強化しているが、米国にきちんとしたルールがなければ抜け穴ができかねない。米政府は利用者が安心できる環境を整えるべきだ。

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