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在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。

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生活水源から発がん性物質 汚染源は米軍? 立ち入り調査に高い壁

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高濃度のPFOSやPFOAが検出されている「メンダカリヒーガー」と呼ばれる湧き水=沖縄県宜野湾市で、2020年10月8日撮影
高濃度のPFOSやPFOAが検出されている「メンダカリヒーガー」と呼ばれる湧き水=沖縄県宜野湾市で、2020年10月8日撮影

 「この湧き水は飲めません」。そんな立て看板が沖縄県宜野湾市内の湧き水6カ所に設置されている。住民の暮らしを支えてきた水源から近年、発がん性が指摘される有害物質、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)とPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が検出されているためだ。汚染源として疑われているのは市の中心部にある米軍普天間飛行場だ。

 10月2日、宜野湾市の松川正則市長は防衛省沖縄防衛局を訪れ、田中利則局長と向き合った。普天間飛行場で4月、米兵が格納庫近くでバーベキューをしたために消火装置が作動し、PFOSやPFOAが含まれる泡消火剤が噴出。約14万3800リットルが基地の外に漏れ出した。PFOSやPFOAは事故以前からも市内の湧き水で検出されており、松川市長は事故の再発防止を求めるとともにこう付け加えた。「市民の不安を払拭(ふっしょく)し、周辺環境を保全するために必要な対策を政府を挙げてやってほしい」

PFOS、PFOAとは

 有機フッ素化合物の一種のPFOSやPFOAは、水や油をはじく特性から米軍が飛行場で泡消火剤に使ってきた。しかし、近年の調査や研究で、その安定性ゆえにほぼ分解されず、人体にも蓄積されることが判明。健康への影響は未確定だが、国際的に規制強化の流れにあり、日本政府も2020年、水道水や地下水などに含まれる暫定目標値を2物質の合計で1リットル当たり50ナノグラム以下(ナノは10億分の1)と設定した。

 県環境部は16年から年2回、宜野湾市内の湧き水と地下水でPFOSやPFOAの値を調査してきた。20年1月の9カ所の調査では2物質の合計値が1リットル当たり最大で1000ナノグラム。最も低い場所でも68ナノグラムで、全てで暫定目標値を超えている。県は「普天間飛行場の泡消火剤に起因する可能性が高い」として19年2月に基地内への立ち入り調査を米軍に申請したが、今も許可は得られていない。

 普天間飛行場から北約9キロにある米軍嘉手納基地(嘉手納町など)周辺では状況が更に深刻だ。水道水とし…

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