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今週の気持ち

今週の気持ちは「五平餅」

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 「女・男の気持ち」(2020年10月15~21日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版10月21日掲載の投稿です。

  ◆  ◆

<今週の気持ち>

五平餅 名古屋市守山区・寺社下(じしゃげ)肇さん(無職・80歳)

 12歳年上の姉さんは、私が小学4年生のころ、近くの農家へ嫁いでいった。嫁ぎ先にはたくさんの田畑があった。春休みや夏休み、農繁期休みには、よく田植えや稲刈りの手伝いに行き、その都度お小遣いをいただいた。

 田植えが終わった後には、水を張った田んぼに3センチくらいの小ゴイを放流するが、そのコイは一石二鳥となる存在だ。一つは田の中の害虫や草を食べてくれる。もう一つは稲刈り前に水を引いて、20センチくらいに成長したコイを捕獲して家の池に放し、さらに大きくしてお祝いごとに利用するのだ。

 そして一番の楽しみは収穫した新米で五平餅を作り、家族だんらんで「五平餅会」を開くことだった。信州のみそ、砂糖、クルミ、エゴマをすり合わせた独特のタレで、姉さんの作る五平餅は甘辛く、適度に焦げたタレが特においしかった。

 高校を卒業して故郷の長野県大桑村から離れても、私の帰りを心待ちにしていた姉は、私が帰郷すると必ず得意の五平餅で歓待してくれた。

 大好きだった姉も今は亡く、秋になると懐かしいあのころの五平餅の味を必ず思い出す。

  ◆  ◆

<担当記者より>

 現在は名古屋市にお住まいの寺社下さんにとっての「懐かしの味」は、お姉さんが作る五平餅でした。五平餅になじみ深い地域・中部地方の山間部にご実家があるのでは、と思いうかがうと、木曽谷にある長野県大桑村とのこと。最初の投稿文には故郷の地名はなかったのですが「せっかくですから文中に入れましょう」という話になり、掲載文のようになりました。

 掲載後、寺社下さんから電話がありました。「やっぱり『大桑村』と入れてよかったです。友達や昔の知り合いが、新聞を見たと言って連絡をくれました」と、弾むような声で教えてくださいました。本欄が旧交を温めるきっかけになったようで、担当記者としてもうれしい限りです。それにしても五感をくすぐる五平餅の描写はお見事で、一度食べてみたくなりました(恥ずかしながら、実は食べたことがないのです)。

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