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社説

女川原発と地元同意 不安は解消されていない

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 東北電力女川原発2号機の再稼働を宮城県議会が容認した。村井嘉浩知事は来月にも、関係自治体の首長から意見を聞いた上で最終判断する。

 知事の判断を受け、東北電力は2年後の再稼働に向けた準備を加速させる。再稼働すれば、東日本大震災の被災地にある原発では初めてとなる。

 原子力規制委員会の安全審査は今年2月に完了した。原発が立地する石巻市と女川町の議会は既に、容認の意思を示している。

 だが、多くの課題が解決していない。まず周辺自治体の懸念だ。

 原発事故が起きれば、被害は広範囲に及ぶ。国は半径30キロ圏内の自治体に対して、広域避難計画を策定するよう定める。女川原発の場合、7市町が計画を策定したが、その実効性が危ぶまれている。

 例えば原発のある牡鹿半島は道路網が脆弱(ぜいじゃく)なため、避難車両の渋滞で逃げ遅れる住民が出る恐れがある。避難先の自治体は、受け入れ態勢が整っていない。

 立地自治体以外の5市町には再稼働に反対するところもある。しかし再稼働への手続き上、こうした自治体の同意は必須ではない。

 安全への不安も拭えない。東北電力は3400億円を投じ、原子炉建屋の耐震補強や海抜29メートルの防潮堤建設などの対策を講じた。村井知事は「世界で最も厳しい規制基準で安全性は高まった」と言うが、災害は想定を上回るというのが、先の震災の教訓だ。

 しかも女川原発は巨大地震を繰り返す震源に近く、過酷事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型の原子炉だ。

 震災時には津波が敷地直下まで押し寄せ、建屋に多数のひびが入った。国会の事故調査委員会は、女川原発が福島のような深刻な事態を回避できたのは「単なる幸運」と結論づけている。

 再稼働を求める自治体も事情は複雑だ。いまだに地域経済は立ち直れず、過疎化と高齢化が進む。苦境の中で原発との共存を選ばざるをえないという側面もある。

 原発に100%の安全はない。東北電力や宮城県は住民の不安に耳を傾け、合意点を探る責務がある。それをないがしろにしたまま、形式的な同意だけで再稼働を急ぐことは許されない。

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