今期のA級は関西ゴールデン世代の台頭が顕著に表れている。順位上位から紹介すると豊島将之竜王、佐藤天彦九段、糸谷哲郎八段、稲葉陽八段、菅井竜也八段、斎藤慎太郎八段の6人は同じような時期に関西奨励会で切磋琢磨(せっさたくま)した間柄。年齢も32~27歳と近い。
かつて棋界の勢力図を塗り替えた羽生世代が出現した理由の一つに「少年時代からいいライバルがたくさんいて競争が激しかったこと」が挙げられるが、この関西ゴールデン世代も同じように強力なライバルたちにもまれてきた点が似ている。
菅井に初めて会ったのは、菅井の地元・岡山県で行われたタイトル戦会場だった。当時、中学生で奨励会に入会したばかりの菅井は詰め襟の学生服姿で控室にやってきた。緊張した面持ちの中にも芯が強く勝ち気な性格がうかがえ、いかにも勝負師っぽい面構えをした少年、という印象が私の中に強く残った。本局の対局開始時に、腕組みして微動だにせず盤上をにらんでいる菅井の表情は、初めて出会った少年時代の菅井がそのまま盤の前に…
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