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生きたい社会に

ALS嘱託殺人事件が社会に投げ掛けた重い問いを、関係者や有識者と考えます。

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「安楽死を合法化」主張は短絡的 松宮孝明・立命大教授 ALS嘱託殺人

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立命館大の松宮孝明教授=2017年6月1日午前10時39分、川田雅浩撮影
立命館大の松宮孝明教授=2017年6月1日午前10時39分、川田雅浩撮影

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に頼まれ、医師2人が薬物を投与して殺害したとする嘱託殺人事件を受けて、「安楽死が合法の国も海外にあるから日本も認めるべきだ」とする主張や、起訴された医師2人を擁護する意見もあるが、それは短絡的だ。例えば、よく引き合いに出されるオランダでは、患者の希望に沿って生命を終わらせる措置ができるのはホームドクター(かかりつけ医)に限られ、6項目の厳格な要件がある。訳語なので表現は硬いが以下のような内容だ。

 ①医師は患者の要請が自発的かつ熟慮されたものであることを確信していなければならない②医師は患者の苦痛が耐えがたく改善の見込みがないことを確信していなければならない③医師は病状、予後について患者に情報を与えていなければならない④医師は患者の病状を考慮すると、他に合理的な代替手段はないという結論に患者と共に達していなければならない⑤医師は少なくとも一人の独立した立場にある医師に意見を求めていなければ…

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