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カンキンカンキンと、音質の違う金属音が交互に響く。青森県田子(たっこ)町の鍛冶屋さんだ。個性的な形をした漆カンナを打っている音だ。
鍛冶屋の中畑文利さんと和子さんは、長きにわたり夫婦で漆カンナを打ち続けてきた。「昭和45(1970)年ごろまでこの地域でも10軒ほどの鍛冶屋があったんだが、今は自分のところ1軒になってしまったな」
文利さんが続ける。「50代の頃、鍛冶屋だった父親の偉大さを感じてね。基本的な道具の形は、見よう見まねでもできるのだけど、それを使う職人のこだわっている意味を考えないと、その先にはいけない。鍛冶屋ってものは、山や農家の仕事、料理人が使う包丁など一番大切な道具を作っているんだ」
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