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社説

選択的夫婦別姓の導入 立法府が行動するときだ

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 夫婦別姓を認めない民法の規定が憲法違反かどうかについて、3件の高裁判決が相次いで出された。いずれも合憲との判断だった。

 最高裁は2015年、「社会の基礎となる家族の呼称として、姓を一つに定めることには合理性がある」と合憲判断を示している。

 3件の判決はこれを踏襲し、その後も判例を変えるほどの社会の変化は起きていないと指摘した。

 夫婦の96%が夫の姓を選んでいる。仕事を持つ女性が増える中、姓の変更によるキャリアの断絶はより深刻な問題になっている。

 社会の意識は変わりつつある。17年の内閣府の世論調査で、同姓か別姓か選べる選択的夫婦別姓に42%が賛成し過去最高となった。姓が違っても家族の一体感に影響はないと考える人は64%に上る。

 官庁や多くの企業で、通称として結婚前の旧姓で働けるようになってきた。昨年から、住民票やマイナンバーカード、運転免許証に旧姓の併記が認められた。

 しかし、日常生活で旧姓が使えるかどうかは、所属する組織や契約する相手の意向次第だ。二つの姓の使い分けは煩雑さを強いる。小手先の対処では限界がある。

 そもそも人権に関わる問題だ。裁判で原告側は、個人の生き方を決める権利として姓の選択が認められるべきだと主張している。

 氏名は、個人として尊重される基礎である。姓が変わることで自己喪失感を抱く人もいる。

 日本以外に夫婦同姓を義務づける国はないという。国連の機関は繰り返し、是正を勧告している。

 選択的夫婦別姓について、最高裁は国会に議論を促した。今回の判決3件のうち広島高裁は、導入を求める人々の声に耳を傾けて、真摯(しんし)に議論するよう求めた。

 地方議会でも、法制化を求める意見書の採択が相次いでいる。

 法相の諮問機関である法制審議会は1996年に導入を答申したが、自民党保守派の反対でたなざらしにされている。法改正の議員提案も、実を結んでいない。

 鍵を握っているのは自民党だ。下村博文政調会長は今月、「議論していかなければならない重要なテーマだ」と述べた。党内から導入賛成の声も上がっている。

 今こそ、立法府が導入に向けて行動するときだ。

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