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大竹文雄・評 『コロナ危機の経済学 提言と分析』=小林慶一郎、森川正之・編著

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『コロナ危機の経済学 提言と分析』
『コロナ危機の経済学 提言と分析』

 (日本経済新聞出版・2750円)

取引活性化のための検査・追跡・待機

 コロナ危機に対して、一般の人が経済学に期待するものは何だろうか。新型コロナ感染症およびその対策によってもたらされた不況の解決だろう。いわゆる景気対策である。観光業や飲食業の経済対策として「Go To トラベル」や「Go To Eat」という事業が典型である。景気の悪化が一時的という前提のもとでは、資金繰りが悪化した企業への貸付が倒産対策になる。売り上げが低下した企業に支給される持続化給付金もその一つだ。

 経済対策にはもう一つのタイプがある。それは、所得が下がった人たちへの所得再分配政策である。実際の政策は、再分配制度と需要が低下した部門への需要刺激策が混然となって行われている。

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