豊島は名人戦と叡王戦のダブルタイトル戦を過密スケジュールの中で戦った。叡王戦七番勝負は持将棋が2局、千日手が1局あり、第9局にまでもつれ込む大激闘となった。順位戦の日程が詰め込まれ、豊島のスケジュールはより過密なものになった。本局が行われたのは叡王戦最終局の6日前のことである。8月に名人を失冠した豊島だったが、この対局の後、2冠に返り咲いた。
本局は互いにジリジリとした間合いを取る戦いが繰り広げられた。豊島は角のポジショニングを微妙に変えながら、菅井は飛銀香を細かく動かして戦機をうかがう。こちらが最善形で相手が最善形から崩れた時に仕掛けることができればいいが、それを簡単に許してくれる相手ではない。また後手の菅井は千日手でもよしという態度でいられるが、先手番の豊島とすれば千日手は序盤の作戦がやや失敗となったことを認めることになる。
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