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「楽園」の光と影~タイのLGBT

仏教の教えと「お金」が「LGBTの楽園」を作った?

タイ中部サメット島のビーチ。「ゲイアイランド」と呼ばれ、人気を集めている=2020年8月30日午前10時20分、高木香奈撮影

 タイの首都バンコクからバスとスピードボートで約4時間。タイ中部サメット島は「ゲイ・アイランド」と呼ばれ、世界各国のLGBTなど性的少数者に人気のリゾート地だ。透明度の高いヒスイ色の海に、白砂のビーチが映える。「トゥブティムホテル」のオーナー、ウィティパさん(48)は言う。「週末は宿泊客の99%が同性カップルだったこともある。ここはとても自由で、性でお客さんを区別しません」。タイ政府職員のタナラットさん(51)は長年の常連客だ。土曜の昼にバンコクから同性の恋人や友人と訪れ、1泊して帰るのが定番だ。「安全で、自分の家のようにリラックスできるんだ」

 タイは、他国から「LGBTの楽園」と呼ばれる。バンコク中心部の「シーロムソイ2」では、狭い路地にバーやクラブがひしめき、週末は各国のLGBTの人々で遅くまでにぎわう。中部パタヤは、心と体の性が一致しないトランスジェンダーの美しさを競うコンテストがあることで有名だ。

 観光立国であるタイは2012年、「LGBTツーリズム」に本腰を入れ始めた。キャッチコピーは「Go Thai.Be Free.(タイに行って、自由になれ)」。タイ政府観光庁のシースダー副総裁はこう強調する。「LGBT向けの商品を作り出す必要はなかった。タイ社会のLGBTへの寛容さが売り物なのだから」。観光庁によると、19年の観光収入のうちLGBTから得られたとされるのは約65億ドル(約6700億円)。LGBTによる観光費の支出先として、タイは米国、スペイン、フランスに次ぐ世界4位だという。

 なぜ、タイはLGBTに…

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