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対策徹底しても76人感染 「ミュージカル座」クラスター 劇団ならではの事情

劇団「ミュージカル座」が入る雑居ビル=さいたま市で2020年10月19日午前9時26分、中川友希撮影

 さいたま市浦和区の劇団「ミュージカル座」で76人が新型コロナウイルスに感染した。稽古(けいこ)場ではマスク着用や消毒が徹底され、専門家も「やれることはやっていた」と評価している。そんな現場で出演者ら91人の8割を超える大規模なクラスター(感染者集団)はなぜ発生したのか。取材を進めて経緯を探ると、劇団ならではの対策の難しさも見えてきた。【大平明日香】

 ミュージカル座は1995年設立のミュージカル専門劇団で、一般向けの体験教室なども開いている。太平洋戦争の沖縄戦の悲劇を描いた代表作「ひめゆり」を96年から公演しており、今年も10月20~25日、彩の国さいたま芸術劇場(さいたま市)で公演予定だった。稽古に参加した劇団員は14人で、残りは他の劇団などからオーディションで集めた俳優。集団感染は、この公演に向けた稽古場で起きた。

 劇団のホームページや、メールで取材に応じた事務局を担当する30代の女性劇団員の説明によると、最初に感染が判明した役者は10月4、6日の稽古に参加。6日の稽古が終わった数時間後、「東京都内で参加していた別の芝居の稽古現場で陽性者が出たので、これからPCR検査を受ける」と劇団側に連絡した。

 7日午前には他の役者3人の発熱が判明し、劇団は同日の稽古を中止。午後2時、最初に連絡してきた役者から「陽性だった」との報告を受けた。劇団はこれを受け8日、稽古に参加した役者やスタッフ計91人にPCR検査を受けるよう指示。10日にさいたま市保健所から集団感染の発生の可能性を指摘されたため、公演中止を決定した。感染者は10~60代で、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に及んだ。

 稽古場は、JR北浦和駅に近い浦和区常盤の住宅街にある雑居ビル。演出家が常駐するAスタジオ(80平方メートル)と、自主練習や待機場所などに使うBスタジオ(70平方メートル)の2部屋を使用していた。

 4、6日は、冒頭から順にシーンを追っていく「通し稽古…

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