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余録

「瑞宝太鼓」は…

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 「瑞宝(ずいほう)太鼓」は、長崎県雲仙市を拠点に活躍するプロの和太鼓集団だ。20年ほど前、演奏会を取材に来た新聞記者との間でちょっとした行き違いが起きた▲待っていても記事が出ない。問い合わせると、こう言われた。「どこが知的障害者なんですか。障害者を売り物にした太鼓集団ではないのか」。実際は、メンバー全員が知的障害を持つ人たちだが、演奏や、達者な舞台あいさつから誤解されたのだ▲2カ月たって、記者が訪ねてきた。「メンバーの皆さんから手紙をもらいました。手紙を読んで初めて、あの人たちは知的障害者で、素晴らしい演奏をしたのだとわかりました」と謝罪があった▲太鼓集団を支援する社会福祉法人の顧問、田島良昭さんから最近、聞いた話だ。「うれしかった半面、すごく腹が立った」と言う▲この話は、多くのことに気づかせてくれる。「プロとはいえ障害者にこれほどの演奏ができるはずがない」という思い込みと、その裏返しのような障害者への賛美。そうした先入観を再生産しかねない報道姿勢。太鼓はただ力強い音楽を奏でているだけなのに、障害者という壁が勝手に作られる▲瑞宝太鼓は、小栗謙一監督の新作映画「Challenged チャレンジド」にも登場する。題名の言葉は「挑戦するチャンスを与えられた人」という意味だ。障害者を前向きに表す呼称で、米国を中心に広がる。映画はいま全国を回っている。壁を取り払えるか、チャレンジドの言葉は障害者以外にも向けられている。

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