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時代の風

菅政権1カ月 民主主義の本質は議論=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員

藻谷浩介氏=玉城達郎撮影

 菅政権が発足して1カ月余り。新聞の「首相動静」欄に、ぎっしりと文字が詰まるようになった。新首相は広範に話を聞き、得失を冷ややかに計算して決断するという点で、存分にすごみを発揮している。

 政府の「Go Toキャンペーン」で、「トラベル」の対象を東京に拡大しての継続しかり。「イベント」で横浜スタジアムの席を段階的に満席まで埋める社会実験しかり。どちらも「新型コロナウイルスの感染拡大は、大筋で『密集×飲酒×大声での会話×換気の不全』が重なったところでしか起きていない」と見切った上での政治判断だろう。筆者は結論には賛同するが、その判断経緯を説明しないのはいかがなものか。「議論すれば反対が増えて実行できなくなる」という開き直りなのか、単に説明が苦手なのか。

 福島第1原発から出る汚染処理水を海洋放出する方針も、腹の据わった話だ。確かに汚染水に含まれるトリチウムは放射性物質だが、自然界にも存在し、各人の体内にもある。本当にトリチウム以外の放射性物質が完全に除去されているなら、薄めて海に流すこと自体は不合理ではない。ただし以前、除去済みと言いながらできていなかったケースがあり、検証には念を入れねばならない。風評被害対策についても、「放射能汚染の懸念は当た…

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