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社説

介護現場の感染対策 健康維持と両立へ支援を

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 新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、介護現場は感染対策と高齢者の心身の健康をいかに両立させるかという課題に直面している。

 広島大学と日本老年医学会がケアマネジャーや介護施設などを対象に調査したところ、認知症の人の症状がコロナ下で悪化したとの回答が約4割に上った。

 他にも足腰が弱ったり、意欲が低下したりしたケースがあるという。感染対策で面会が制限され、サービス利用も減少した影響とみられる。

 厚生労働省は高齢者施設での面会制限を緩和し、外出も散歩や運動などはむやみに制限しないよう求める通知を出した。現状に即した対応だ。

 ただ、換気のよい別室を使うなど面会時の注意点を示す一方、実際に面会を認めるかどうかは各施設の判断に委ねた。

 地域の詳細な感染状況を施設が把握することは難しい。国や都道府県が積極的に情報を伝え、判断基準を示すことが望ましい。

 感染が起きた場合の備えを万全にしておくことも欠かせない。

 都道府県は、感染拡大を防ぐために感染症対策の専門家を迅速に施設に派遣することが重要だ。感染で職員が仕事を休まざるを得なくなればサービスに支障が出る。応援職員を派遣する仕組みを機動的に活用すべきだろう。

 介護現場からは、感染者の濃厚接触者に当たらなくても、医師の判断などで検査を受けられるようにしてほしいという声が上がる。

 介護は寄り添って行うケアが多いため感染を完全に防ぐことは難しく、高齢者が重症化するリスクは高い。複数のサービスを利用する人が多く、感染が連鎖しやすい。検査体制の余力に配慮しながら、可能な限り検査を受けられる対応を考えるべきではないか。

 中長期的な視点の取り組みも必要だ。介護はもともと他の産業に比べ平均賃金が低いこともあり、慢性的な人手不足だ。さらに感染拡大で離職する介護職も出ており、職場環境はいっそう厳しい。

 介護保険の事業者報酬は、来年度改定される。感染対策の強化を促すとともに、人材の確保と定着が図れるよう、職員の待遇改善にも力を入れるべきだ。

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