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アートの扉

竹内栖鳳 班猫 触りたくなる毛並み

1924年 絹本・彩色 山種美術館蔵

班猫(はんびょう)

 ウサギ、猿、犬、カモメ、アヒル、シャモ、キツネ、イタチ――。数々の動物を飼い、身近に置いて観察と写生を重ねた動物画の名手、竹内栖鳳(せいほう)。この絵のモデルとなったまだら猫との出合いは鮮烈だ。所用で静岡県沼津に来ていたときのこと。初秋の午後、通りかかった八百屋の前でこの猫が寝ていた。その瞬間「わたしの表現欲はムラムラと胸に湧いて来たのである」(1933年8月刊行「文芸春秋」より)。思わずスケッチして描き留めたが、宿に帰っても忘れられない。八百屋の主人に頼み込み、1枚の絵とその猫を交換し、手に入れたという。

 京都の自宅では日夜傍らに置き、写真撮影や写生を繰り返した。右肩にハチミツを塗り、このポーズを観察したとも言われている。粉本(手本)を模写するだけではなく、実物に相対して描くことを良しとした円山四条派を学ぶ傍ら35歳で渡欧し、コローやターナーの風景表現などにも刺激を受けた栖鳳。山﨑妙子館長は「徹底した観察を通し、対象の内側から湧き出るものを捉えようとしていた」と語る。

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