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余録

「好きなもの イチゴ、コーヒー…

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 「好きなもの イチゴ、コーヒー、花、美人、懐手(ふところで)して宇宙見物」。物理学者の寺田寅彦による個性的な歌である。随筆家としても活躍した。晩年の著作「柿の種」には彼の世界観があふれている▲さて、寺田は柿の種を食べただろうかと気になった。柿の種の元祖は新潟県の浪花屋製菓で1924(大正13)年の発明という。夏目漱石に負けない甘党の寺田でも一度ぐらいは口にしたかもしれないが、「柿の種」にその記述はない▲誕生から約1世紀、柿の種は国民的なお菓子になった。ピーナツと組み合わせた「亀田の柿の種」は、国内の米菓売り上げ首位。亀田製菓が1年間に生産する柿の種を縦に並べると、地球から月まで軽く往復できるという▲今年はコロナ禍の巣ごもり、家飲み需要で前年を上回る売れ行きだった。加えて柿の種が本当に宇宙へ行くかもしれない。「宇宙日本食」に応募し、3年がかりで認証を得たのだ▲レシピは既存商品と同じだが、完成品から割れや欠けのないものを選び、無重力下でも散らばらないよう特製容器に収めた。「カリカリした食感はストレス解消にもなる。宇宙で楽しんでもらいたい」と開発担当者▲宇宙ではなぜか、味の濃い食事や辛いものが欲しくなるという。ピリッと辛い柿の種は、そんな飛行士たちの好みにも合うだろう。来月には野口聡一さんが国際宇宙ステーションへ赴く予定だ。分刻みの任務の合間に柿の種をつまむ姿を想像しながら空を見上げてみよう。もちろん懐手して。

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