あかね色に染まる公園でひとりブランコに揺られ、こっちを振り返った。そう、後ろ向きのポーズ。訃報が伝えられた9月15日夜の民放ニュース番組、そして翌朝のワイドショーで同僚カメラマンが撮ったこの写真が流れた。有名タレントの映像などいくらでもありそうなのに、なぜわざわざ? あえて聞かなくとも理由はわかる。にじみ出ているのだ。じわっと。人間・岸部四郎が。
2008年4月の半ば、四郎さんが暮らす横浜のニュータウンでインタビューした。私の目の前でブランコをこいでいたのはグループサウンズ「ザ・タイガース」の栄光を背負った男でも、ドラマ「西遊記」で味のある演技を見せた男でもなかった。どこかおどおどし、それでいてひょうひょうとしていた。古書好きだったから、東京・神保町で名は通っていた。よせばいいのにのめり込み、自己破産、脳出血に襲われ、おまけに最愛の妻に先…
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