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社説

大学運動部の大麻使用 「規範意識」育てる指導を

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 東海大硬式野球部の寮で複数の部員による大麻の使用が発覚し、部が無期限の活動停止となった。全日本大学選手権で4度の優勝経験がある屈指の強豪だ。

 部員110人が共同生活する寮が、警察の家宅捜索を受けた。寮内で部員同士が使用した可能性があるのなら、単なる個人の問題と片付けるのは難しい。

 今年1月には日大ラグビー部、10月上旬には近大サッカー部でも大麻使用の問題が起きている。

 警察庁によると、昨年、大麻事件で摘発された人の約6割は20代以下の若者だった。興味本位で手を出すケースが多いという。

 スポーツ選手にまず求められるのは、ルールを守るという「規範意識」だろう。その自覚が薄れているとすれば、運動部を取り巻く環境や指導体制にも目を向けなければならない。

 近年、子どもの数が減り、スポーツ推薦などの制度で学生を確保する大学が増えた。野球の場合、200人を超える部員が在籍する例もある。指導者の目が行き届かないことも多いだろう。

 競技中心の生活を送る中で、「スポーツさえしていればいい」と勘違いする学生が増えてはいないだろうか。大勢の部員の中で主力メンバーから外れてやる気を失い、心に隙(すき)ができることもある。新型コロナウイルスの影響で今年は活動できない期間も長かった。

 だが、言い訳にはならない。心身をむしばむ違法薬物は、ネット交流サービス(SNS)などを通じて入手しやすくなっている。今回も一部の学生が起こした問題と捉えるのではなく、大学スポーツ界全体が重く受け止めるべきだ。

 米国の取り組みをモデルとして、日本でも「大学スポーツ協会」(略称・ユニバス)という全国組織が昨年発足した。大学スポーツの振興が目的だ。

 ユニバスでは学習支援やキャリア教育を実施しているが、今後は薬物防止の啓発を含め、規範意識を育てる指導の充実に努める必要がある。

 スポーツを大学の知名度向上のための道具にしてはならない。社会に出ていく前の若者を、正しい方向に導く教育が不可欠だ。大学や指導者はその原点を忘れないでほしい。

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