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<影山貴彦のテレビ燦々(さんさん)>
9日から放送されている「タリオ 復讐(ふくしゅう)代行の2人」(NHK総合・全7回)。初回は少しばかり乗り切れなかったが、回を重ねるごとに気になって見ている。正義感の塊の若き元弁護士と、優柔不断で憎めない詐欺師が、被害者から依頼を受け悪を退治するドラマだ。
ちなみに「タリオ」とは、「被害者が受けたのと同種の害を加害者に加える処罰法」という意味のラテン語。藤田まことの代表作といえる「必殺仕事人」的ドラマを想起した読者もいるだろう。ただ小ネタ的遊び心のちりばめられた物語は、「必殺」とは少々趣が異なる。
元弁護士・白沢真実役を浜辺美波、詐欺師・黒岩賢介役を岡田将生が好演する。浜辺のド直球さと岡田の一筋縄でいかない味わいの対比がいい。第2話の、怪しげな教祖(伊藤歩)に妻を呪い殺されたと和紙職人(竹原ピストル)が依頼するストーリー展開など、名作「トリック」(ABCテレビ系)へのオマージュ的匂いを感じた。木村ひさし監督や脚本の蒔田光治ら、いわば「トリック組」が手掛けているようだ。こうした試みは楽しい。
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