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西武5位の準硬式・大曲 球速16キロアップに一役買った恩人に感謝

西武から5位指名を受けた福岡大準硬式野球部の大曲は、準硬式野球部のメンバーに囲まれて笑顔を見せた=福岡市の福岡大で2020年10月26日午後7時19分、吉見裕都撮影

 プロ野球の新人選手選択(ドラフト)会議が26日、東京都内で開かれた。準硬式で最速154キロを計測し、注目を集めていた福岡大準硬式野球部の大曲錬投手(22)は西武から5位指名を受けた。

西武に5位指名を受けた福岡大準硬式野球部の大曲が幼少の頃に高野博司さんと撮った写真=高野さん提供

 福岡市の福岡大で記者会見した大曲は「生まれてから、今まで歩んだ人生で出会ったみんなに感謝したい」と笑顔で話した。その中に「知り合いのお兄さん」がいる。大曲いわく「ただの野球好き」だが、大曲が大学で球速を16キロもアップさせるのに一役買った。

 福岡県柳川市出身の大曲は高校時代、1992年夏に甲子園を制した西日本短大付で内野手や最速138キロの右横手の控え投手だった。甲子園出場に届かず、「大学では通用しない」と野球を続けるか迷ったが、準硬式出身の西村慎太郎・前監督の勧めもあって入部を決めた。

 上手投げに戻してみると140キロを超えた。うれしくて「140出たよ、博司」と連絡したのが、福岡県八女市に住む会社員、高野博司さん(41)。大曲の母・真由美さんと高野さんの姉が高校の同級生で仲が良く、大曲は幼少から高野さんに遊んでもらった。年齢は離れているが、「博司」、「錬」と呼び合う気さくな交流が続いた。

 野球の本格的なアドバイスを受けるようになったのは、自ら考える練習環境だった福岡大準硬式野球部に入ってから。二人は多いときには月に数回、どちらかが車で1時間の距離を移動して、八女市のグラウンドや福岡市の公園で、体重移動の修正などに取り組んだ。大曲は入部当初に「体の使い方が駄目」と指摘されたのを覚えている。

 高野さんは硬式野球の経験は中学までで、投球フォームなどの知識も独学。それでも長年、お互いを知る間柄でざっくばらんな意見交換ができることから大曲は「しっくりくる助言もあった」と振り返る。硬式球よりも球速が出にくいとされる準硬式球だが、球速はみるみる上昇し、大学2年秋には153キロを計測。大学3年秋にはプロ野球のスカウトたちが視察に訪れ、4年生となった2020年3月の公式戦で154キロを出した。

西武にドラフト5位で指名された福岡大準硬式野球部の大曲と練習したグラウンドで思い出を語る高野博司さん=福岡県八女市で2020年10月24日午後4時45分、吉見裕都撮影

 ただ、高野さんは自分の技術指導がそれほど効果があったと思っていない。「もともと肩が強かったし、高校時代のサイドスローは錬に合っていなかった。器用だから、私の助言がなくても球速は上がったでしょう」という。それよりも「いつも、もっと速くなる、プロにもいけるよって声をかけていた。少し希望も込めて。それが成長につながったのでは」と考える。大曲も「いろいろなことを相談できる人がいるのは大きかった。メンタルトレーナーでしたね」とエリートコースとはいえない準硬式野球の環境の中で寄り添ってくれた高野さんに感謝する。

 過去に準硬式からプロ入りした選手には、西武と広島で通算210試合に登板した青木勇人(現西武3軍投手コーチ)のような成功例もある一方、近年では2017年にドラフト6位で楽天に入団した鶴田圭祐、同年に育成4位で巨人入りした坂本工宜の両投手は、ともに19年限りで退団した。大曲は「いろいろな大学の準硬式の方からの応援もあってここまで来られた。準硬式代表としてしっかり結果を残したい」と異例の歩みでたどり着いたプロの世界で活躍することを誓った。【吉見裕都】

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