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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相が任命しなかった。極めて異例の事態の背景や問題点を追います。

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熱血!与良政談

「多様性」が消えていく=与良正男

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衆院本会議で所信表明演説する菅義偉首相=国会内で2020年10月26日午後2時21分、竹内幹撮影
衆院本会議で所信表明演説する菅義偉首相=国会内で2020年10月26日午後2時21分、竹内幹撮影

 新内閣発足から40日。ようやく国会で行われた菅義偉首相の所信表明演説を聞いていて、私が一番注目したのは次のくだりだった。

 「多様性のある職場、しがらみにとらわれない経営の実現に向けて、改革を進めます」

 企業が女性や外国人、中途採用者をもっと登用するよう促していくという政府の方針に異論はない。ただし、その狙いは「さらなる成長のため」と首相は語った。

 やはり実利重視の菅首相が優先するのは「もっと稼ごう」なのだろう。しかも今、世界中で重要なテーマとなっている「多様性」という言葉が演説で出てくるのはここだけだ。そこに菅政治の特質が垣間見えると思うのだ。

 昨秋の臨時国会を思い出そう。安倍晋三前首相は所信表明演説で金子みすゞの詩の一節「みんなちがって、みんないい」を引用して「多様性を認め合い、全ての人がその個性を生かすことができる。そうした社会を創ることで、少子高齢化という大きな壁も、必ずや克服できる」と力説した。

 当時、私も「異論排除のあなたが言うか」と驚いたものだが、言っていることは間違っていなかったと今も思う。

 菅首相は演説で「自助・共助・公助、そして絆」が目指す社会像だと改めて語った。だが…

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