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議場ではなく「劇場」にいるかと… 新人総理番が見た「代表質問」

衆院本会議で立憲民主党の枝野幸男代表(手前)の代表質問を聞く菅義偉首相(奥右)=国会内で2020年10月28日午後1時41分、竹内幹撮影

 菅義偉首相の就任後初の所信表明演説に対する代表質問が、28日の衆院本会議で始まった。1日に秋田支局から政治部に異動し、若手記者が務める「首相番」になったばかりの私にとって、初めて生で見る国会論戦。首相は何を語り、議論はどう進むのか。期待を込めながら実際に現場に入ると、テレビ中継やニュースからは伝わらない独特の雰囲気があった。

 首相はこの日、いつも通り午前6時40分ごろに東京・赤坂の衆院議員宿舎を出ると、首相官邸の敷地内を散歩。官邸近くのホテルで、自民党の松本純国対委員長代理と会食した後、いつもより少し早い午前8時10分ごろに官邸に入った。

 普段であれば、午前中から多くの省庁幹部や国会議員らが面会に訪れるが、この日は坂井学官房副長官と1時間ほど会った以外に来客はなし。午後1時からの本会議に向けて準備をしていたとみられる。

 私は本会議開始15分前の午後0時45分ごろに衆院本会議場に入った。報道各社の首相番記者やカメラマンら報道関係者は、議員席を横と後ろから見下ろすように「コの字」形に配置された報道関係者席から取材や撮影をする。26日の所信表明演説のときには、各社の記者やカメラマンが詰めかけて「密」の状態になっていたが、この日は人数がやや少なかった。

 議場では携帯電話は使えないが、報道関係者は記事送信などのためパソコンの使用が認められている。議場でのヤジや応援の声を記録しながら、議場内外での首相の動静を確認するのも首相番の仕事だ。私も席に着いてパソコンを開き、本会議の開始を待っていた。

 閣僚や議員らが続々と集まる中、首相が議場に入ったのは午後0時50分過ぎ。ゆったりとした足取りで、入り口での手のアルコール消毒も忘れなかった。首相は議場最後方の自席に座ると、近くの田村憲久厚生労働相と言葉を交わし、声をかけてきた複数の議員らと談笑するなどリラックスした様子だった。

 だが、その表情は約1時間後には別のものに変わっていた。

ヤジの多さと騒然とした雰囲気に驚く

 「独裁者!」「言えないのか!」「何を考えているんだ!」

 午後1時過ぎに始まった代表質問。首相が、日本学術会議の新会員候補6人を任命しなかった問題を巡り、立憲民主党の枝野幸男代表の質問に対する答弁を始めると、議場は野党席からのヤジで騒然となった。

 大島理森議長は、学術会議を巡るわずか2分半ほどの答弁の間だけで、3度にわたって「ご静粛に!」と注意。2度目は首相が演壇の後ろに座る大島氏を振り返って「ちょっと静かにしてもらっていいですか」と求めてのものだった。それでもヤジは収まらなかった。

 騒然とした雰囲気の中、首相は「学術会議の推薦に基づいて任命を行った」「個々人の任命の理由については人事に関することであり、お答えを差し控えます」「総合的、俯瞰(ふかん)的な活動、すなわち専門分野の枠にとらわれない広い視野に立ってバランスの取れた活動」など、従来通りの見解を、言葉を区切りながら語っていた。答弁書に目を落としながら、ヤジにかき消されないように声を張る首相の表情は、開会前とは違い、こわばっているように見えた。

 一方で、首相の答弁の間、議場から聞こえてきたのはヤジだけではない。学術会議に関する答弁の終盤、「私が任命権者として…

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