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SNS投稿を、売る。名古屋グランパスのデジタル・スポンサーシップ戦略

情報提供:アズリーナ

近年、多くのプロスポーツクラブはスポンサー企業に対し、協賛費に対してどういった“見返り”を渡せるかという部分に工夫を凝らすようになった。

 

娯楽も多様化したことでプロクラブからすれば協賛を争う“ライバル”も増え、企業側も定量的な効果(いわゆる費用対効果)を求めるようになったことが背景として挙げられる。

 

ただ、ネガティブな側面だけでなく、プロクラブが持つ資産の幅と提供できる価値も増えている。その1つが“デジタルの露出”だ。

 

デジタル分野の中でもSNSを利用してスポンサー※の満足度向上に取り組んでいるクラブの1つが明治安田生命J1リーグの名古屋グランパス(以下 グランパス)だ。

※グランパスは「パートナー」と呼称、位置づけている。

 

スポンサー企業の広告露出価値についての検証・数値化を行ない競技問わず多くのプロスポーツクラブを支援しているニールセンスポーツと共に、時代に即したスポンサーメリット(パートナーメリット)の創出に奔走している。

 

グランパスくんを活用した施策

 

グランパスの親会社はトヨタであり、言うまでもなく日本を代表する企業である。傍から見れば「大企業がバックに居るから安定的だろう」と思われがちだ。ただ、クラブ内では“親に頼る” ことの危機意識は大きく、ここ数年で外から資本を取ってくること、より地域の様々な企業と協力関係を作っていくことに力を入れ始めた。

 

2018年3月にグランパスの営業部の一員となった青野聡氏は言う。「グランパスは東海地域にあるJ1唯一のクラブですし、愛知県名古屋市にある唯一のクラブ。そういった点では恵まれています。開拓の余地はあるし、営業はもっと外向けに力を入れていかないといけません。様々な企業の特徴とクラブのリソースを活用して何ができるかというところを意識して取り組めば、できることは無数にあると思います。」

参考:グランパスくんが売れっ子になるまで。マスコットビジネス成功秘話

 

青野氏が入社後1ヶ月で獲得してきたスポンサーが、宅配クリーニングサービス『リアクア』を展開する株式会社喜久屋だ。64年の歴史を持つこの企業は、単なるスポンサーではなく、初の“グランパスくんファミリー”の応援パートナーになった。グランパスだけでなく多くのサポーターからの人気を誇るマスコット・グランパスくんとその家族を活用したPR展開ができる権利を持てるものだ。

 

サービスのターゲットである主婦層に届けるためにはクラブ公式よりも愛くるしさがあるマスコットを活用したほうが届きやすい。そういう考えのもとこの提携が実現したが、その中でグランパスくんのtwitterを活用し、プレンゼントキャンペーンを展開した。多くのサポーターがキャンペーンに参加し、高い満足度が得られたと言う。

 

これを機にグランパス内でも公式アカウントならびにグランパスくんアカウントを活用したスポンサー企業のPRが加速し、実際に“セールスポイント”となっている。

 

青野氏はSNSを活用したスポンサー露出のメリットについて、「HPに載せるよりも、スマートフォンで開いてさっと見られるSNS、特にtwitterは情報伝達のスピードが速いですし、パートナーの情報を出すにはtwitterの拡散力は強いですね」と言う。

 

そして、彼と同じく営業部で活動する大内田勇貴氏は冒頭に記した旧来型のスポンサーセールスの難しさと、SNSの強みについてこう口にした。

 

「スタジアムの看板は、来場者とDAZNの視聴者にリーチができます。そういった看板を出して社名を露出したいというニーズに加え、ダイレクトかつアクティブに企業のことを伝える手段を好むパートナー様も出てきました。そういう意味ではSNSは強いですね」

 

元々想定していなかった施策をSNSで代替することにより、企業側の高い満足度を得られた例もある。

 

「しるこサンド」で有名な松永製菓もグランパスのサポート企業の1つだが、かなりのインプレッション(ユーザーへの表示回数)を獲得した上記のツイートは、補填的なものだった。

 

「本来はスタジアムでグランパスくんファミリーがグリーティングする際、マスコットからのサンプリングをするという権利を販売していました。ただ、今年のコロナ禍でマスコットが直接グリーティングできなくなり、他の案を探さなければいけなくなりました。そこを相談して、グランパスくんの入場動画に入れ込みました。松永製菓さんからもかなり喜んでもらえました」(大内田氏)

 

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