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詩の橋を渡って

蟻たちも季節を生きる=和合亮一(詩人)

10月

蟻の巣穴の入口に

引きずりこもうとしてできなかった空が

丸く小さく

引っかかっている

 紅葉の色合いを楽しみつつ朝晩の寒さに四季の足音を感じている。ふと家の中に蟻(あり)の姿を見かけた。捕まえて逃がすと庭先の行列に加わった。玄関に戻ると迷い込んでいるのがまた一匹。その後も追いかけっこを彼らと何度かしたが、しかしその後からぱったりと姿が消えた。この数日で特に寒くなったからなのか。庭にあるどこかの巣の中で熱心に冬ごもりの準備をしているのだろう。蟻たちも私たちも共に季節のめぐりを生きている。

 高岡修の詩集『蟻』(ジャプラン)が届いた。不思議な親しみを覚えながら頁(ページ)をめくった。「蟻の巣穴の入口に/引きずりこもうとしてできなかった空が/丸く小さく/引っかかっている」。コロナ禍の影響により二月の末ぐらいから、私たちもまた家の中へと巣ごもりをせざるを得ない状況で、現在に至っている。春から夏、秋への移ろいの中で沈鬱の日々を過ごし、澄み渡ったそれぞれの季節の空が心に引っかかっている感じが…

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