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社説

増える深刻ないじめ 早期把握へ体制の強化を

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 全国の小中学校や高校などで、昨年度に把握されたいじめが過去最多の61万件となった。前年度より1割以上増えた。

 文部科学省は、からかいなどの軽微なものも含め、学校が積極的に掘り起こしに努めた結果ととらえている。

 見逃せないのは、いじめが命にかかわったり、長期欠席の原因になったりする「重大事態」が前年度から2割増えて723件に上ったことだ。

 いじめを初期段階で見抜けないまま、深刻化するケースが多くなっている。

 防止の取り組みに地域差があるのも問題だ。都道府県・政令市ごとに児童生徒1000人当たりのいじめ把握件数を見ると、最大で20倍以上の開きがある。

 それほど差があるのは不自然だ。背景には、調査の手法や、どういう行為がいじめにあたるかという現場の認識の違いがあるとみられる。

 最も把握が進んでいる新潟市は、子どもに対するアンケートを各校で年3回以上行うよう求めている。「靴を隠された」「嫌なあだ名をつけられた」など、いじめの具体的な例を示し、子どもに回答させている。

 こうした手法を各自治体が共有すべきだ。それが重大事態につながる芽を摘むことになるだろう。

 一方、重大事態が起きてしまった場合の対応も問われている。

 いじめ防止対策推進法や国の指針に基づき、各教育委員会や学校は第三者委員会を設け、重大事態の調査にあたる。

 だが近年、第三者委の対応に被害者側が不信感を募らせ、調査結果に納得しない例が相次いでいる。昨年度、首長の判断で再調査が必要になったのは14件と過去最多だった。

 第三者委が調査を進めるにあたっては、被害者側に寄り添う姿勢が欠かせない。

 新型コロナウイルスの影響で、医療従事者の子どもが差別されるケースがあった。子どもたちは友達付き合いを制限されてストレスを高めており、ささいなことからいじめに走る事態も懸念される。

 自治体や学校は、子どもの変化に注意を払い、きめ細かく対応しなければならない。

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