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生きたい社会に

ALS嘱託殺人事件が社会に投げ掛けた重い問いを、関係者や有識者と考えます。

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日本は「安楽死」の議論未熟 高橋卓志・龍谷大大学院客員教授 ALS嘱託殺人

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海外の安楽死事情やALS患者嘱託殺人事件について語る高橋卓志・龍谷大大学院客員教授=京都府久御山町で2020年10月14日午後5時46分、添島香苗撮影
海外の安楽死事情やALS患者嘱託殺人事件について語る高橋卓志・龍谷大大学院客員教授=京都府久御山町で2020年10月14日午後5時46分、添島香苗撮影

 スイスやオランダなど一部の国では自殺ほう助や安楽死が認められているが、背景には長年の議論や緻密な制度設計がある。今回の嘱託殺人事件は非常に暴力的で、違いは明白だ。

 2014年にスイスの自殺ほう助組織「EXIT」を訪れ、統括責任者のハンスさんに話を聞いた。1982年に創設されたNPOで、スイス国籍か永住権があり、重い病気や障害を持つ人が登録できる。会員は必ず担当者と面談し、信頼関係を築く。研修や適性検査を受けた、ほう助者が患者の最期に付き添い、残された家族も支える。死後は警察に届け出て、合法性のチェックを受ける。

 死には、あらゆる痛みが伴う。それらを取り除くのが日本でも行われている緩和ケアだが、ハンスさんは「緩和ケアの延長線上に自殺ほう助を位置づけている」と語った。選択肢を得たことに安心し、登録後に病状が回復する患者も少なくないという。

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