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五輪へのサイバー攻撃 国際協力で対策の強化を

 東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会に対し、ロシアからサイバー攻撃があった疑いが浮上した。

 ロシア政府は関与を否定しているが、英外務省の発表によると、攻撃を仕掛けたのはロシア軍参謀本部情報総局(GRU)とされる。

 GRUは過去にも他国への選挙介入や要人暗殺などを企てたとして、国際的に批判された組織だ。

 東京大会は新型コロナウイルスの影響で3月に延期が決定した。攻撃はそれ以前に確認され、組織委だけでなく、物流サービス関係者や大会スポンサーも標的になっていたという。被害の有無や詳細な手口は明らかにされていない。

 英メディアは東京大会への出場停止処分に反発する工作活動だった可能性を指摘している。

 昨年、ロシアはドーピングの検査データに多数の改ざんが見つかり、世界反ドーピング機関から4年間の主要国際大会への出場停止を命じられた。

 東京大会からも除外され、潔白が証明された選手のみ「個人資格」としての参加が認められる見込みだ。ロシアは処分に不服を申し立て、スポーツ仲裁裁判所に提訴している。

 2018年に韓国で開かれた平昌冬季五輪・パラリンピックにも、ロシアは組織的ドーピングの疑いで国としての出場が認められなかった。

 この大会ではサイバー攻撃が仕掛けられ、開会式直前から通信環境などに障害が出るトラブルがあった。米司法省はロシアが関与したとみて、GRUのハッカー6人を訴追した。

 最近の大会ではサイバー攻撃はテロと並ぶ大きな脅威だ。システム障害が起きれば、被害は競技運営、警備、輸送、メディアなど多岐に及ぶ。新型コロナ対策だけでなく、情報インフラの安全確保にも注意を払わなければならない。

 日本政府は昨年、東京大会に向けて「サイバーセキュリティ対処調整センター」を設置し、警戒を強めてきた。改めて課題を洗い出し、対策を強化してほしい。

 簡単に国境を越えるサイバー攻撃の阻止には、国際協力が欠かせない。韓国の教訓も生かすべきだ。絶えず情報を共有し、目を光らせる必要がある。

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