迫る二番底、すくむ欧州経済 行動制限再び、「コロナ前」遠く GDP年61%増
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欧州連合(EU)統計局が30日発表した2020年7~9月期のユーロ圏の実質域内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、前期比12・7%増(年率換算は61・1%増)となった。新型コロナウイルスの感染拡大が一旦落ち着いた時期と重なったが、足元では感染「第2波」が猛威を振るい、厳しい行動制限も再開して景気の二番底懸念が強まる。感染再拡大に翻弄(ほんろう)されるフランス南部マルセイユを訪れた。
つかの間の夏、猫の目「営業禁止」 翻弄される仏マルセイユ
ヨットが所狭しと並ぶ古い港の周辺には、名物の魚料理「ブイヤベース」をふるまうレストランやカフェなどがずらりと軒を並べる。マクロン大統領が外出制限を打ち出す直前の10月下旬、かつてなら夜遅くまでにぎわっていた飲食店街では、午後8時半を過ぎるとおしゃべりに興じていた客が帰り支度を始めた。
マルセイユやパリなど感染が再拡大する地域では10月半ばから、午後9時以降の外出を禁止した。「通常なら営業は午前2時まで。夜間外出禁止で売り上げは昨年の7割減だ」。バー経営者のホアン・フィリペさん(44)は肩を落とす。客の姿がなくなると港町は静寂に包まれた。
つい3カ月前には大勢のバカンス客が訪れ、街は活気にあ…
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