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「誤解に基づいた意見も」 学術会議・梶田会長「正確なデータに基づく議論」訴え 会見詳報

記者会見する日本学術会議の梶田隆章会長=東京都港区の日本学術会議で2020年10月29日午後4時32分、手塚耕一郎撮影

 日本学術会議の梶田隆章会長が29日、新会員候補6人が菅義偉首相に任命拒否された問題について記者会見を開いた。「今期の運営や活動の著しい制約になっている」として6人の任命を改めて求めた上で、学術会議に関する誤った情報が広まっているとして「私どもの活動が国民の皆様に伝わっていない。正確なデータに基づいた議論をしてもらいたい」と訴えた。

 学術会議を巡っては、菅首相が会員構成について「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られる」と指摘。自民党も会員の選考方法や年間約10億円の予算の使い道などについて問題視しており、SNSなどでも批判の声が上がっている。任命拒否の発覚以降、菅首相や自民党の指摘に対し、学術会議が公の場で反論するのは初めて。同席した副会長や第1部(人文・社会科学)、第2部(生命科学)、第3部(理学・工学)の各部長らが、会員選考の流れや活動状況を説明した。詳報は以下の通り。【科学環境部 岩崎歩、柳楽未来、池田知広】

梶田会長「学術会議の活動を正確に伝えたい」

 梶田会長 基本的には国民のみなさんへという形でお話ししたい。ご存じのように、10月1日から学術会議の第25期が始まり、私が会長に就任した。しかし、今期の新会員として推薦した105人のうち6人の任命が見送られ99人しか任命されていない。これは学術会議にとって、いわば青天のへきれきという事態で、第25期の運営や活動に著しい制約となっている。会長として菅首相に任命を見送った理由を説明し、改めて6人を任命するように要望している。また、担当の井上信治・科学技術担当相にも同じ事を申し上げ、今後それとともに未来志向の対話を政府と学術会議で行っていく上で、任命問題が大きな妨げになるということを危惧しているともお伝えしている。

 さらに本日、井上氏と会長、副会長、それから第1、第2、第3部長と意見交換した。他方、この間、学術会議についてのさまざまなご意見や報道を見ていて、十分に私どもの活動が国民の皆さまに伝わっていないのではないかと感じている。日本の科学者全体を代表して日本の学術の振興を図るともに、対外的な連携の窓口となり、さらには政府への科学的助言を行うなどの役割を果たそうと努めているが、私どもの活動についてはしっかり伝わらないまま、さまざまな誤解に基づいたご意見も頂戴している状況だ。国民のみなさまに学術会議の活動を正確に伝えたい。

「予算なくなり、旅費がなくても自主的に参加。ボランティアワークになることも」

 菱田公一副会長 来月あたりは少し頻度を上げて、我々のほうで行っている正確な情報の発信に努めていきたいと思っている。10月2日に副会長に任命されてからいろんなことがいっぱい起こり、どういう形で整理するのかも大変な作業が伴っている。

 学術会議の基礎的な情報を開示して説明していきたい。いろんな情報がマスコミなどで流れ、誤解があり、正確な情報を我々も発していなかったので、まず会員の選び方のプロセスと、現状はどうなっているのかを説明したい。コ・オプテーションが、あたかも私はあなたを指名するよという(仕組みだと)誤解を与えているが、決してそうではない。半年間かけて、現在の会員が次の会員の推薦を行って選定していく。現会員、連携会員には5人の推薦枠があるが、そのほかにそれだけでは地方、領域とかで情報が集まらない場合もあるので、我々は協力団体から情報提供という形でいろんな情報、名前を頂いている。そこを含めて会員が推薦した形として約1300人の候補者を選考委員会の中に入れている。

 そこから3カ月で、候補者のダイバーシティー、男女比、横断的というある程度の枠組みを作りながら、選考して最終の105人を決める。それぞれの専門を含めながら、そこを超えた分野も選考していく形になる。もちろん、学術会議法にあるように、業績の優れた方が前提になっている。最終的には105人の名簿を幹事会で決めて、総会で議決した者について首相に推薦を出している。

 長い間いろんな試行錯誤を行い今の段階に至った。男女比をみると、25期は女性は37・7%まで上がっている。これは大変努力をした結果だ。会員の属性を見ると、関東地方は50%と多いが、やはり関東に大学が集中している。努力のかいはあり、約70%から50%まで低くなり、その分、地方の業績のある方を会員として迎える形になっている。東京大や京都大にそれなりの業績にある人が多いが、20期では50人、今の25期では34人、京大でも20期は24人、25期では16人。産業界の出身も徐々に増やしていく形になっている。以上が会員選考のプロセスだ。

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