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第70期王将戦リーグ特選譜

観戦棋士も「意味がわからない」細心の一手 藤井王位が佐藤天九段を破り、ようやく1勝

王将戦リーグの対局を終え、感想戦に臨む藤井聡太王位(左)と佐藤天彦九段=東京都渋谷区の将棋会館で2020年10月29日午後8時6分、丸山進撮影

 開幕から勝ち星なしの3連敗で、藤井聡太王位が挑戦する可能性はなくなった。将棋界では驚きの声が多い。棋聖、王位の2冠を獲得し、年度内3冠に向け勢いがあったはずだが、今期王将戦では失速してしまった。連敗の相手が羽生善治九段、豊島将之竜王、永瀬拓矢王座だけに、簡単に勝てるわけではないが、それにしても1勝もできないとは。強敵ぞろいのリーグ戦を証明するような展開だ。【山村英樹】=▲が先手、△が後手

 3連敗で残留争いに関しても厳しい状況が続く。どう打開するか、18歳の棋士が迎えた試練ともいえる。2冠を獲得した影響で、棋戦へのシードが多くなってテレビ棋戦の他は、この王将戦リーグと順位戦B級2組しか年内は対局がない。とはいえ、王将戦リーグの永瀬戦、本局、広瀬章人八段戦は中2~3日で対局になる。忙しい日々の中で立て直せるか。

 佐藤天彦九段は前局で木村一基九段に勝ち、今期の同リーグで初白星を挙げた。3敗を喫しているが、こちらも残留争いのためには負けられない戦いが続く。

<第70期大阪王将杯王将戦リーグ4回戦>

2020年10月29日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲佐藤天彦九段(1勝3敗)

△藤井聡太王位(3敗)

▲7六歩  △8四歩  ▲5六歩  △3四歩1

▲5五歩  △6二銀  ▲5八飛  △4二玉

▲4八玉  △3二玉  ▲1六歩  △1四歩

▲3八銀  △4二銀9 ▲3九玉1 △5二金右16

▲2八玉10 △8五歩5 ▲7七角  △7四歩

▲6八銀1 △7三銀  ▲5七銀3 △6四銀

▲6六銀  △3三銀6 ▲4六歩3 △8六歩2

▲同 歩21 △7三桂  ▲7八金2 △6五桂3

▲8八角37 △8六飛4 ▲8七歩  △8一飛1

▲9六歩7 △4四銀4 ▲5九飛  △8六歩16

▲同 歩5 △同 飛  ▲7七桂  △同桂成

▲同 角  △8一飛  ▲8七歩2 △7五歩13

▲同 歩1 △7一飛(第1図)

 先日、タクシーに乗った時に運転手さんから将棋の話を持ち掛けられた。将棋については駒の動かし方を知っている程度と謙遜されていたが、藤井の動向については詳しい。「王将戦で3連敗して挑戦がなくなり、がっくりしました」と最新情報まで知っていた。中継などを見て情報を集めている熱心さ。藤井の魅力は「あの若さで淡々としておられる。私があのくらいの時とは全然違う」と語っていた。

 本局の終盤でも将棋プレミアム解説の阿部健治郎七段が「藤井さんは年齢に似合わない渋い手を終盤で指して勝つんですよ」と感心していた。

 本譜、居飛車党の佐藤が振り飛車、しかもゴキゲン中飛車を採用した。局後に「興味のあった戦型で、いつか指してみたいと思っていた。気分的なところもあります」と語った。3日前の藤井―永瀬の対局で永瀬が四間飛車を採用し、勝利したことは意識の中にあっただろう。ただ、佐藤は「序盤は少し損をした気がする。認識不足だったか」と振り飛車の経験のなさを嘆いたが、特に疑問視されるところはなかったように見えた。藤井が7筋から動いたところで、佐藤も動く。

 第1図以下の指し手

▲4五歩7 △同 銀43 ▲4六歩7 △同 銀

▲5四歩  △同 歩5 ▲同 飛  △4二桂1

▲5六飛7 △3五銀  ▲5三歩  △5一金引6

▲5五桂4 △7六歩47 ▲8八角51 △6二金14(第2図)

 振り飛車は受け身の戦法と見られがちだが、ゴキゲン中飛車は自分からも動く。しかも先手番なので、佐藤は積極的に▲4五歩から銀を呼び込み、5筋の歩を交換した。

 ▲5四同飛に△5三歩は▲3四飛△3三歩▲3六飛。藤井は△4二桂と飛に当てながら3四の地点を守った。「(他の…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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