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年末年始のコロナ対策 感染再拡大招かぬ工夫を

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 年末年始の新型コロナウイルス感染症対策として、政府が休暇の分散・延長を打ち出した。ところが、最長で17連休の要請と受け取られ、企業や教育現場の混乱を招いた。

 休暇の分散・延長は帰省や初詣による混雑の緩和が狙いだ。企業や地方自治体などが可能な範囲で取り組むこと自体は当然だろう。

 重要なのは調整を丁寧に進めることだ。専門家による分科会は、9月の段階で対応を求めていた。政府内や関係団体との調整不足は明らかだ。

 西村康稔経済再生担当相による情報発信の仕方にも問題があった。分散が基本であると伝わらなかった点を重く受け止める必要がある。

 休暇の分散にとどまらず、年末年始の感染対策を具体的に示し、周知することが求められる。

 国内の感染者は累計で10万人を超え、日々の新規感染者数は高止まりしている。冬になれば、室内で過ごす時間が増え、換気が不十分になって感染リスクが高まることが懸念される。

 初詣では、各地の神社に毎年多くの人が集まる。屋外だが、密集、密接を避ける工夫が必要だ。

 帰省で家族や親戚が集まる際は、重症化リスクの高い祖父母らを感染から守る配慮が求められる。お盆の時のように一定の帰省自粛を求めるのか、基本的な考え方を早めに示すべきだ。

 感染者が多い都市部から地方に人が移動すると、感染が広がるリスクが高くなる。だが、地方の医療体制には限界がある。

 多くの観光客が訪れる北海道では新規感染者が増加し、知事が警戒ステージを1段階引き上げて注意を呼び掛けている。

 分科会は、感染者が急増した都道府県についてイベントの中止や「Go Toトラベル」からの除外を政府に提言している。地域の感染状況を見極め、適切に対策を強化すべきだ。

 欧州では、社会経済活動を再開した結果、感染が再拡大した。フランスが全土で外出を制限するなど、再び厳格な対策に踏み切っている。

 緊急事態の再宣言に至らないようにするためにも、感染対策に緩みを生じさせてはならない。

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