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22歳孫の祖母介護殺人 「自助に頼る国の悪癖」露呈 就職氷河期経験者が読む

女性と祖母が同居した一戸建て。細い路地に囲まれた住宅街にある=神戸市須磨区で2020年10月23日午後4時53分、春増翔太撮影

 「寝られず、限界だった」。神戸市の元幼稚園教諭の女性(22)が介護する祖母を殺害し、執行猶予判決を受けた事件。「大好きだったおばあちゃん」を手にかけるまで追い込まれる前に「公助」に頼れなかったのか。この事件を掘り下げ、毎日新聞のニュースサイトに掲載された記事には多くの意見が寄せられている。就職氷河期の若者に詳しいフリーライターの赤木智弘さん(45)に、事件とその課題を聞いた。【山内真弓/統合デジタル取材センター】

「公助へのアクセス封じられた現代社会と重なる」

 女性は、ほぼ1人で認知症が進んだ祖母の介護を担っていた。しかも、女性は祖母を担当するケアマネジャーとやりとりをすることも困難な状況だったとみられている。

 赤木さんは、孤立無援だった女性のストレスに注目する。「女性は、公的なサポートを受けることを阻害されていました。公助に対するアクセスを親族から妨げられてしまったことが、極度のストレスにつながり、殺人に至る原因のひとつになったのではないでしょうか」

 女性は、幼稚園教諭になったばかりの社会人1年生だった。頼る人もなく、慣れない仕事、慣れない介護で睡眠は約2時間という過酷な生活だった。

 「女性の状況は、公助に対するアクセスが事実上封じられた現代社会と重なっています」と赤木さん。公助の窓口はあっても、本当に必要としている人はたどり着けないことも多い。就職氷河期を体験してきた赤木さんは身にしみて知っている。

「弱い人が強い人を助ける時代」

 なぜ女性ばかりが介護の負担を抱え込まされたのか。赤木さんは「助け合い」という言葉を疑う。女性は中学から短大時代まで叔母宅に身を寄せ、学費は祖母に出してもらっている。

 <「おばあちゃんに学費を出してもらったん…

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山内真弓

2007年入社。水戸支局などを経て、東日本大震災後の仙台支局へ。2020年春から東京・統合デジタル取材センター。記者として心掛けているのは、見えにくい日常を描くこと。2児の母で、保活(保育園探し)を6回して疲れ果てたため、地域の子育て環境に関心がある。

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