秋の高校野球
秋季四国地区高校野球大会 準決勝 聖カタ、サヨナラ勝ち きょう明徳と頂上対決 /愛媛
- Twitter
- Facebook
- はてなブックマーク
- メール
- リンク
- 印刷
第73回秋季四国地区高校野球大会(四国地区高校野球連盟主催)は31日、高知市の高知県立春野球場で準決勝2試合が行われた。明徳義塾(高知1位)は相手投手の乱調にもつけ込み9得点で鳴門(徳島1位)に七回コールド勝ち。聖カタリナ学園(愛媛1位)は延長十二回、小松(愛媛3位)にサヨナラ勝ちした。明徳義塾は2年連続の優勝を、聖カタリナ学園は大会初制覇を目指して1日に同球場で行われる決勝で対戦する。
大会の結果は、2021年3月19日に阪神甲子園球場で開幕する第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の出場校選考の重要な参考資料となる。【山口敬人】
▽準決勝
小松
001100000000=2
000110000001=3
聖カタリナ学園
(延長十二回)
聖カタリナ学園は延長十二回2死一、三塁、堀越が適時打を放って接戦に終止符を打った。先発・桜井は179球完投。小松は前半、赤尾の適時打などで先行。2投手も好投したが、五回以降2安打に抑えられた。
人生初サヨナラ打
○…意地の一撃だった。延長十二回、この試合3度目の場面が、またやってきた。得点圏に走者を置いて4番・川口翔大選手(2年)が申告敬遠。次打者席で堀越璃雄選手(同)は自分の体を何度もたたいた。ここまで2度とも凡退しており、「申告敬遠の後で知らない間に力んでいたのかも。楽に打席に入るため」だった。その効果か、2球目の真っすぐに「体が反応した」。振り抜くと打球は右翼線に落ち、人生初というサヨナラ安打に。「最高です」と笑みもこぼれた。
鳴門 0010001=2
明徳義塾 060102×=9
(七回コールド)
明徳義塾は二回、押し出し四球二つと米崎、加藤の適時長短打で主導権を握り、六回には岩城の2点二塁打で試合を決めた。先発・代木は無四球完投。鳴門は七回に井川の適時打で反撃したが、序盤の失点が痛かった。
■熱球
悔しさ糧にさらなる飛躍を 小松・古本裕大投手(2年)
同点で迎えた七回裏無死満塁、自らの制球力が不安定になるなどして招いたピンチだ。投球前に大きく呼吸して気持ちを入れ直す。1人目の打者を一邪飛、続いて三振で抑え、最後は渾身(こんしん)の直球で本塁を踏ませず、大きくガッツポーズしてみせた。
苦い思い出がある。秋季県大会準決勝、相手は今回と同じ聖カタリナ学園。2点を追う六回、4連打を浴びて2失点。点差をさらに広げられ、そのまま敗れた。
リベンジマッチとなった今試合、六回からマウンドに上がった。先発した越智海斗投手(2年)から「点を取られてしまった」と声を掛けられ、「後は全部俺に任せろ」。何度もピンチを迎えたが無失点で切り抜け、意地を見せつけた。だが延長十二回、右適時打を浴びてサヨナラ負け。悔しさのあまり泣き崩れた。「強くなって絶対やり返す」。背番号「1」を背負うエースはさらなる飛躍を目指す。【遠藤龍】