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社説

中国の5中全会 「富国」に協調は欠かせぬ

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 中国共産党の中央委員会第5回総会(5中全会)で2021~25年の5カ年計画と、35年までの長期目標の基本方針が決まった。

 米中対立と新型コロナウイルスの流行で内外情勢は激変した。会議のコミュニケでは5カ年の成長率目標が示されなかった。コロナを封じ込め、世界に先駆けて経済回復を進めているものの、先行きはなお不透明という認識だろう。

 「世界は過去100年なかった大変化を経験している」「国際情勢は不安定性と不確実性を増している」。コミュニケには厳しい現状認識が示されている。

 新たなキーワードが「双循環」だ。国内と国際の二つの経済循環を指す。発展モデルを輸出主導から内需中心に転換する狙いだ。

 米国が中国経済とのデカップリング(分離)に動き、米製品の供給を止められた華為技術(ファーウェイ)は苦境に立つ。「技術革新」を先進国化に向けた最重要課題と位置づけ、独自技術の開発を急ぐ方針を強調している。

 米国との対立を長期にわたる「持久戦」と見て技術の「自力更生」を目指す習近平国家主席の方針に沿ったものだ。

 しかし、自国中心主義に陥っては各国とのあつれきを増し、内需拡大や技術革新も簡単には進むまい。コミュニケは対外開放の水準を高め、国際協力を促進すると明記している。その実現には「戦狼(せんろう)外交」と呼ばれる他国への攻撃的姿勢を改める必要がある。

 環境分野では国際協調の姿勢が見える。60年までに二酸化炭素の排出量を「実質ゼロ」にするという習氏の公約に沿って低炭素社会を目指す方針は歓迎できる。

 今年の国内総生産(GDP)は100兆元を超え、米国の約4分の3の水準に達する。35年までには米国を抜くだろう。巨大国家がしゃにむに「富国」「強軍」に突き進めば脅威だ。日本など周辺国との信頼関係構築が不可欠だ。

 22年の次期党大会に向けた幹部人事は発表されなかった。党大会での習氏の3選が有力視され、党主席の復活やさらなる長期政権も取り沙汰される。権力集中で内憂外患を乗り越える狙いだろう。

 だが、香港や少数民族への強権姿勢が続けば、日本や欧米との摩擦は拡大する。自制が必要だ。

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